2009年2月号のクーリエジャポンに掲載されていた特集記事。
「まとめ」に書かれていた次の文章が印象的だった。
「悩みを抱えた日本の若者が自分探しに行くインドで、その国の若者が自殺をするという皮肉な現実が生まれている」
インドは世界でいちばん10代の自殺が多いといわれているらしい。
この背景としてこの記事が指摘をしているのは2点。
若者の問題と、学校の問題だ。
1点目。急激な経済成長で、幼くしてあまりに多くを与えられた子供は、
成長して挫折を経験した際にうまく対処できなくなるというのだ。
特に、ゲーテッド・コミュニティの子供たちにこの傾向が強い。
カルカッタにあるモダン高校の校長の指摘。
「どんな些細なことでも自分の要望は満たされるべきだ、と考える子供が増えています。
そして、これまで『ノー』と言われたことのない子供は、世間が彼らのニーズを
満たすことなど気にかけていない、という事実をなかなか認められないのです」
2点目。これは誇張もあるかもしれないが、記事からの抜粋。
「08年4月、ムンバイに住む12歳の女生徒が高速道路から線路に身を投げて自殺未遂を起こした。カンニングの現場を教師に見つかったことがその理由だ。両親が学校に呼び出され、本人は英語の試験を受けることができなかった。翌日には、一生懸命嘆願し誤ったにもかかわらず、他の科目の受験まで禁じられた。さらに悪いことに、彼女の命を救った人物が彼女を学校に連れて行くと、学校はけんもほろろに二人を追い返したのだという。インド連邦下院は現在、学校の試験システムを抜本的に見直すように訴えている。」
(「 」内の部分ほか、「COURRiER Japon」2009年2月号p.40-43より一部抜粋)