自分はどうやら、「社会」主義者っぽいところがある、と感じることがある。

犯罪の被害者より、加害者に注目し、同情するのだ。
その加害者のバックグラウンドを醸成した、
「社会」の問題なのではないかと。


今日、国会の国土交通委員会で参考人招致 があり、
報道もヒートアップしているこの「偽造」問題。

「責任のなすりつけ合い」と批判する論調が多いような気がする。
「一番困っているのはマンションの住民なのに」という「コメント」が交じる。

責任の所在が明らかにならないのに、補償の内容が確定するのか?
責任の所在、補償の内容、どちらも重要だが、一緒にはできない。
無責任に「コメント」を展開するキャスター、コメンテーターに物申したい。

「故意なり過失なり、それぞれの企業がそれぞれ問題を抱えていて、
それが積み重なった最悪のケース」といったことを、
今日の委員会を傍聴した住民が述べていたが、
やっと問題を冷静に見つめられるようになってきたようだ。


「渦中の人々」が問題を起こした、あるいは問題に巻き込まれたのには
何らかの原因が必ずある。
それは悪意なのか、ミスなのか、現時点の報道でははっきりしない。

姉歯氏「(鉄筋量を減らすように)圧力をかけられた」
この人に関しては、建材の調達と関わらないだろうから、
「偽造」によるメリットはないはず。ただ、「偽造」の件数が多すぎる…。

木村建設「法令順守の範囲内でという認識で鉄筋を減らすようにお願いした」
じっくり報道を見ていれば、ココが怪しいような気になる。
ただ、故意と過失が絡み合う複雑な問題が潜んでいるように思う。

イーホームズ「いちいち計算はしない 制度上の問題だ」
評価機関の責任について、開き直りと捉えられても仕方の無い発言。
マンション住人からすれば、たまったもんじゃない。
同業者による姉歯氏の「偽造」認識を暴露しながら、
自分の企業としての制度改善に対する責任を全く示さなかった。
ここに、リテールカスタマーを意識できていない企業体質を感じる。

ヒューザー「神聖な公文書に対して疑うことなく着工しただけ」
今日の参考人招致に対してしっかり準備をしてきたという印象。
テレビ出演をこなし、試行錯誤を繰り返し、場数を踏んだ小嶋社長は、
いくつか答えられない質問があったのをうまくかわして、潔白をアピールした。


「ちょっとした悪意」の発覚で、無価値のマンションがでんと転がり、
住民は路頭に迷う。
自分の仕事がどういう影響力を持って社会につながっているのか、
今回招致された参考人は全員、その認識が甘かった。

その部分を埋めるような社会制度の構築が必要になるのであり、
見える部分だけをやり玉にあげたって何にもならない。