かたちあるものすべて終わりがある。

「有機物だから」ってのは
つまらない生物学的な理由だ。


すべてのものは、環境に適応できなくなったときに死を迎える。

精神も肉体も。

肉体は老化して機能が停止する。だから死を迎える。
でも人間に寿命がある必要は他にもある。


精神が時代の変化についていけなくなったとき、つまり、
すでに得た知識や経験が新しい思考や行動を邪魔するようになったとき、
人間の精神はその使命を終えるんだ。


社会が発展するために、人間は思考や行動を更新していく。
そのためには、ひとりの人間が生き続けて新情報を蓄積するより、
世代交代という新陳代謝によって新たな「担い手」を用意するほうが
効率が良い。

上の権威が生き続ければ、思考や行動の基準は変わらない。
命が有限だから、人間は発奮し、
新たな思考や行動を起こすことができる。



これはすべての生物の進化に言えることじゃないかな。

種(spiecies)は、その保存のために自らの命を絶ち、
それまでに蓄積された情報を最良の構造に組み替える能力のある
新しい生命に、未来を託すのだろう。