9.11から10年が経った。

あの事件を境に世界は変わった、いや変わってない、
いずれの意見もよく聞かれるけれど、

世界に対する見方が変わったのは確実だろう。


10年前、僕は高校2年生だった。

あの衝撃の映像は、
ニュース番組の中継でリアルタイムで観ていた。

「ニューヨークのビルに飛行機が衝突したようです」のアナウンスとともに、
ビルの上層階から黒煙が燃え上がる映像が
最初に映し出されたときは「??」だったけど、

2機めが高層ビルに突っ込むのを見て感じた青ざめるような思いは、
そこに何かとても強い敵意があったことを、直感的に理解したからだった。

ビルの崩落は、目を覆いたくなる残酷な映像として目に焼き付いているけど、
同時に、それが資本主義的繁栄の象徴が傷つけられたことであると理解し、
世界が確実に悪いほうへ変わるだろう、という冷静な分析もしていた。


今ではブログやTwitterでマスコミ批判を繰り返している僕が、
最初にマスコミに対する不信感を抱いたのも、この事件だった。

冷戦終結から10年以上も経つのに米国に敵意を抱く勢力が存在することを、
マスコミはまったく教えてくれなかったからだ。

この国のジャーナリズムはどうにかして変えなきゃいけない。
そんな事を、大学の推薦入試の志望動機に書いたりもした。

9.11がもし無かったとしたら、そんな意識を持てたかどうか。
9.11は確実に僕の考え方を変えたし、僕の主義信条の形成において重要な要素を担っているのだ。