BLOG by tdswordsworks

ACTIVATE MY MIND. Still Feb 4th 2004 -twitterに書ききれない雑感など-

2008年04月

ビルマの竪琴(1985)
監督:市川崑
出演:石坂浩二、中井貴一ほか



体の内側からとめどなく感情があふれ出てくる映画です。

ハープの音色と兵士たちの歌声によってその都度、感動に誘われます。
赤い土オレンジ色の僧衣広大な青空緑深いジャングルなど、
発色に非常に気を遣った演出にも脱帽でした。

シンプルなストーリーである分、表現ディテールには手抜きなく、
視る者に隙を与えることなく諭す怪作。

生命力みなぎる若かりし頃の中井貴一さんだけでも一見の価値あり。



長野聖火リレーは、予想していたよりも大きな騒動になってしまったようで。

ブログでこの件について書こうとしている僕はもともと、
聖火ランナーを務めるタレント選手たちのコメントに納得がいっていなかったのです。

「オリンピックに政治の問題を持ち込まないで。」
それって、誰に言ってるの?

沿道で中国の旗を振る人たちに対して?
それとも「Free Tibet!!!」と叫ぶデモの参加者に対して?

日本国家にとっては、建前上は中国の内政問題であるけれど、
もう少し広い視野で見てもらえれば、チベットにおける人権問題だとわかってもらえるはず。

世界には、人権を守られず苦しみながら結果を残したアスリートが大勢いる中で、
国際経験豊かな日本のトップアスリートからそんな言葉が出るなんて、唖然。



人権の問題は、往々にして公の場で語られる機会を得られにくいから、
注目されるべき場所で、注目される私人(芸能人とか)が語るのが世界の常識だったりする。

無論、騒ぎを起こすことを好まない日本人の品格も非常に立派だと思うけれど、
人権の問題に関してまで黙って融和ムードをつくろうとする感覚には、僕個人としては相容れない。



一方で、「Free Tibet!!!」と叫ぶ抗議そのものにも僕は疑問を持っている。
そのまま訳せば「チベットに自由を」となるのだけど、
この「Free Tibet」というのはもともと、チベット独立を訴えるスローガンだったはずだ。

そうなると、文字通り「オリンピックに政治を持ち込んでいる」ことになる。

今回の騒動、マスメディアの責任は大きいのだけれど、
チベット支持派が何を訴えているのかが曖昧にされてしまっていて、非常にわかりづらい。




参考までに、mixi内を歩き回ってみつけた、長野の抗議活動に参加した方の日記を転載。
マスメディアによる報道の不足部分を補うつもりで掲載します。
転載許可不要との事ですので、問題意識を持たれた方は更なる転載をお願いします。

mixi入れる方は画像つきのコチラをどうぞ。


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町には何台もの大型バスが乗り入れ、中国人が降りてくる。
僕らがそれぞれ旗を作り、プラカードを作り、前日からカラオケボックスで寝ていたのに対し、
彼らは中国大使館から支給された巨大な旗と、チャーターバスで堂々登場した。

善光寺参拝が終わり、街中へ。
とりあえず聖火リレー出発地点へ向かった。
ここで日本とは思えない景色を目にした。

出発地点に、中国の旗を持った人は入場できるが、チベットの旗を持った人は入れない。
警察の言い分。
「危険だから」
じゃあ、何で中国人はいいんだ?
「......ご協力お願いします。」

は?
それやらせじゃん。
中国国旗しかない沿道って、警察が作ってるんじゃん。

この後TBSの取材が来た。
チベットサポーターの1人が、
「日中記者交換協定があるから映せないのか?」とアナウンサーに聞いた。
アナウンサーは「は?勝手に叫んでれば?」
と吐き捨てて消えた。

街中に行くとどこに行ってもFREETIBETと叫んでいる。
そこに中国人が押し寄せ、罵声を浴びせてくる。


交差点で中国人と僕らが入り乱れた。
突然Mちゃんが顔面を殴られた。
僕は殴った中国人のババアを捕まえて、目の前の警察に言った。
「こいつ殴ったぞ!!」
警察は何もしなかった。

ババアが俺の手を噛んだ。手から血が出た。
警察と目が合った。
警察は何もしなかった。

ババアが僕の顔面を殴ってきた。
周りのチベットーサポーターが、
「おい、警察、現行犯だろ、捕まえろよ!!!!」
と言ったのに、
警察は何もしなかった。

これが抗議活動中じゃなかったら、普通にブチ切れて乱闘になってる。
でも非暴力を貫く為、ひたすら耐えた。

Mちゃんが1日かけて一生懸命書いたプラカードを、
中国人が叩き落とした。
拾おうとするMちゃん。踏みつける中国人。
「おい、てめー何やってんだよ!」と制止に入った。
2mくらいの距離に警察がいたが、何もしなかった。


街中いたるところで抗議合戦。
救急車が来たり大騒ぎ。
僕らはひたすら抗議活動をした。

雨が降ってきた。
それでも誰も抗議を辞めなかった。
中国人がかたまってる交差点を、
Tさんと旗を振りながら渡った。
沿道の中国人は蹴りを入れてくる。
とても沿道に入れず、車道を歩いていた。
警察が来て言った。
「早く沿道に入りなさい!!」
は?今入ったらボコられるじゃん。
なんで日本人の安全を守ってくれないの?
「じゃあ、あいつらに蹴りいれるの辞めさせろよ!!」と僕は叫んだ。
警察は「ご協力お願いします」と言った。


雨の中、聖火リレーのゴール地点へ向かった。
何故か中国人とチベットサポーターに分けられた。
警察は、「後で聖火の方に誘導するから。」と言った。
嘘だった。
ゴールの公園の外の何も無いスペースにチベットサポーターは閉じ込められた。
聖火なんか、どこにもなかった。
目の前には警察が何十人も取り囲んでいた。
こんな場所じゃ、声すら届かない。
数百人のチベットサポーターは、泣きながら警察に向かって叫ぶだけだった。
国境無き記者団もこちら側に来させられていた。
代表がマスコミのインタビューに答えていた。

聖火リレーがいつ終わったのかも分からないまま、
土砂降りの中僕らは叫び続けた。
この声を、伝えることすら出来ないのかと思ったら涙が溢れてきた。
MちゃんもF君も泣いていた。
こんなのってあんまりだ。
せめて伝えて欲しいだけなのに。
この叫びを聞いていたのは目の前に並んだ警察だけだった。



チベット人の代表が弾圧の現状を訴えた。
涙が止まらなかった。
内モンゴルの代表が弾圧の現状を訴えた。
涙がとまらなかった。

伝えたい。ただ伝えたいだけなのに、国家権力によって封殺された。
悔しい。悔しい。

日本は最低な国だ。
平和だ、人権だと騒ぐ割には、
中国の圧力に負けて平気でこういう事をする。
警察を使って。

帰りに携帯でニュースを見た。
「聖火リレーは無事終了。沿道は大歓迎ムード。」
「聖火リレーで日本人5人逮捕。中国人留学生に怪我。」

僕は愕然とした。
この国のマスコミは終わったと感じた。

あの怒号は、
僕らが受けた痛みは、
彼らの悲痛な叫びは、
どこに反映されたのだろう。


警察によって意図的に中国人のみの沿道を作り、
そこをマスコミは撮影し、
中国人の暴力を黙認して、日本人を逮捕する。
これが日本のやることか?
ここは本当に日本なのか?
中国の旗を持たないと歩けない沿道って何なんだ?

この国は最低な国です。
チベット人は泣きながらありがとうと言っていたけれど、
僕は彼らに謝りたかった。
初めて日本人であることを恥じた。

帰り道、僕らは泣いた。

最近俺が完全にハマっているミュージシャンを紹介させてください。



七尾旅人。



もともとSUPERCAR絡みで名前だけは知っていたけど、曲を最初に聞いたのは、昨年9月にアルバム「911 FANTASIA」が発売された時。ま、とてつもなくユニークというか、こんなことをやってしまうのかという衝撃的なアルバムでしたが、4500円もするので購入を諦めた次第です。


きっかけは、偶然YouTubeで視た、「エンゼル・コール」という曲のPVでした。

誰も言葉や音楽で表現できなかったけど確かに僕らの周りに存在する、何と呼ぶべきかもわからない事柄を、七尾くんはこの曲で表現することに成功しています。
理想的でも現実的でも世俗的でも宗教的でもない「存在」がここに示されていると思います。


それから過去作品をいくつか買い、わけがわかんねぇなぁと感じながらも、それでもやっぱりその音楽の中に世界の真実があるような気がして、というかそういう気にさせる、実際にはかなり宗教的なアルバムだと感じています。

紋切り型ですが敢えてわかりやすく言えば、男性版Chara、とでも言えるでしょうか。
ぜったいに売れることはないと思いますが、
I NEED HIS MUSIC!!



ちょっと前に友人に訪ねられたこと。
「大卒新卒入社者の3割が3年以内に辞める」ことの出典を知ってるか?と。

きっとそいつは、ちゃんと厚生労働省や経済産業省のデータもいろいろ探したんだろう。
最近では既に常識になってしまったこの割合のはなし。
その論拠はどこにあるのか?と。


実は、統計データなんてないんだ。
オレも学生時代にいろいろ調べたけど、見つからなかった。
たぶん、誰か偉い人が言った感覚的な数字が、一人歩きしてるんだと思う。

だって、ロジカルに考えてみてよ。
そんなの、調べる手段なんてないじゃないか。
企業が監督官庁に提出するデータには、勤続年数や平均年齢等は含まれるかもしれないけど、
新卒社員の離職率なんてないだろうし。

実感として高まっているのなら、実数値としても増えてるかもしれない。
でも、ほとんど変わっていないかもしれないし、むしろ減ってることもありうる。


オレ個人の考え方としては、これに関して問題だと思うのは、
少しわかりづらいかもしれないけど、「3年で3割辞める」という言説が、
若者がフワフワ気軽に転職をしてしまう状況を指し示してしまうことだ。

どういうことか?
昔とは産業構造が変わり、サービス業に就く人が就業者全体に占める比率は高くなった。
サービス業は、ご存知のとおり長期就業にはそんなに向いていない。
でも日本の産業の置かれた状況が変わってしまったのだから仕方ない。
つまり、長期就業できる仕事に就ける人は以前より減っているのだから、
全体として離職率が高くなるのは必然なのだ。
それとIT産業が伸びてきたのも一因だ。
IT業界は、転職が当たり前の業界。30歳で3、4社経験していても普通で、
むしろ転職によってキャリアアップを図っていくような業界。
新卒でIT業界に入る人が増えたら、3年以内の離職者数は当然増えるはず。
そしてその状況自体が不健康であるとは言えない。


雇用の安定を剥いできたのは、若者自身ではなく産業の方だ。

だからこの「3年で3割辞める」という言説も、
若者の定着率の低さを憂うためではなく、
若者の雇用の不安定さに警鐘を鳴らすのが本来の筋のはず。

若者が辞めずにすむ、長期的なキャリアを計画的に積んでいける会社にするにはどうしたらよいか?という論点が、覆い隠されてしまっているように思う。
「3年で3割辞める」を誤解している限り、誤った人事施策をしてしまうかもしれないね。

お台場という街はあまり好きになれない。

東京という都市があまりに不完全すぎて、
それなら完璧な街をつくろうという要請に応えて建設された、東京のフロンティア。
完全無欠の港湾施設、ホテル、展示場、アミューズメントスポットが点在する。

そこに集うということは、さながら東京から放り出される感じに似ていやしないか。
人間が求めるもうひとつの都市機能、人とのふれあいから隔離されて。


ひとりで仕事で行くと、軽く気が狂いそうになる。
お台場ですれ違う人たちの表情もどこか孤独だ。



に行ってきた!

国際フォーラムの地下ホールを使って開催され、画廊単位で出展されるというので、
もっと堅苦しいのをイメージしてたけど、美術館の企画展よりもずっと刺激的で面白い!

各ギャラリーが威信をかけ、自信を持って出品する作品が、駄作だったらダメだもんな。

気になる作品がいくつもあって、これからの作品にも注目していきたいと思えるアーティストがいっぱいできた。いよいよ俺のアートの楽しみ方が、音楽のそれと近くなってきたかも。

18本の透明な定規に合わせて切り分けられた風景写真の作品がすごく心に残った。
残念なことにタイトルも作家名も確認するのを忘れてしまって、わからない…。調べてみよう。

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