アニメ映画「あらしのよるに」を見ました。


見ててすっごくハラハラ、そして赤面させられる映画でした。





ヤギとオオカミの禁断の友情。

こういった類のテーマを扱う物語って、
必ず主人公2人かあるいはその片方が死を遂げて終わりますよね?

ロミオとジュリエットみたいに。

でも、子ども向けアニメでそんな展開は許されません(笑)

かといって、「友達やーめた」と言って
オオカミがヤギを食い殺してしまったら、それこそ子ども向けじゃないし。


どんな結末に向かうのか、わからなかったのが、前半のおもしろさ。




それにしても、この二匹は会って話すたびに照れすぎ。

ボーイズラブかと思いました。

だってネタバレですが、命がけで激流に飛び込み、逃避行しちゃうんですよ?

まぁそれも子ども向けだと思えば、
必要以上に人物の感情を画面に表す理由もわかりますけど。




ヤギの声は成宮寛貴、オオカミの声は中村獅童です。


中村獅童はさすがにウマいです。

ヤギの前で自分のお腹がなったときの
「鳴るな鳴るな鳴るなよー!」というセリフがもうプロです。

というかオレそこで、メガネ外すほど泣いたんですけどね。


成宮は逆に、「プロっぽくない」トコロがよかったです。

彼の演技にはオーラはあるけど抑揚がないといつも思いますが、
この映画中で「マジメ系癒しキャラ」であるヤギにはぴったりでした。




後半の展開には多少がっかりなところもありましたが、
物語の随所に、実際の人間関係や社会生活に当てはめられるような
深読みできる問題性が埋め込まれている作品でした。


異文化との接触で初めてくだらないと気づく、世の中のルール。

でも、自分たちの考えが受け容れられないときは、逃げるだけじゃダメ。

想いを実現するには、想像以上の困難を乗り越えなきゃいけない。



見終わるとほんわかした気分になりますが
同時にいろんな示唆をくれる映画でした。