今日の日経新聞29面より。



米国で、富裕層の所得や資産が増え続け、格差が拡大している、
ということについて、書かれているのですが、


その要因をMITのオーター准教授が次のように指摘されています。


「専門的知識を必要とする弁護士や医師、経営者などは、
ITの導入で情報やデータの収集が飛躍的に効率化し、
生産性が大きく上がった。そのため報酬も高くなった。


IT化で工場の生産ラインや空港のチェックイン業務など
定型的な仕事が効率化され、人員削減が進んだ。


他方、サービス業の仕事は、人を減らすのが難しい。
(飲食店のウェーター、介護サービスの従事者などは、
IT化が進んでも減らしにくく、生産性も上がらないので賃金は低いまま。)


IT化で工場労働者などの仕事が消える一方、
経営者など高度な知識を必要とする仕事と、
サービス業の仕事は減らないため、賃金の二極化が加速した。」





IT化による格差拡大。


この現象は日本でも確実に起こっていることです。

米国に比べて経営者の権限が強くないので、
それに比べればゆるやかだということらしいのですが。









  文化資本の格差
?    ↓
  情報リテラシーの習得機会の格差
?    ↓
  就業機会の格差
?    ↓
  経済的格差



大雑把に書きましたが、
これが僕の大学時代の卒業研究テーマ(の半分)でした。

その研究の中で実は?についての分析が足りていなかったのですが、
この記事はこの部分を埋めてくれる知見だと思いました。




デジタル・デバイドは解消されたと言われるようになりましたが、

「デジタル化」がもたらす経済的な恩恵にあずかる人々と、

そうでない人々の間に、格差が現存しているというのが、

デジタル・デバイド問題の本質だと思います。